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甲州とマスカット・ベーリーA — 日本固有の二品種

入門・解説 / 公開 2026-08-27

甲州とマスカット・ベーリーAは、日本ワインを語るときにまず知っておきたい二品種です。来歴と国際的な品種登録をたどり、受賞記録に多く現れる理由を、品種名の付け方と栽培の広がりを含めて読み解きます。

受賞件数
  • 甲州1196
  • シャルドネ977
  • メルロー672
  • マスカット・ベーリーA581
  • ナイアガラ224
  • ケルナー216
  • カベルネ・ソーヴィニヨン200
  • デラウェア123
  • ソーヴィニヨン・ブラン105
  • ツヴァイゲルト89
  • キャンベル・アーリー72
  • ピノ・ノワール65

甲州は日本で育ってきた白ぶどう

甲州は、日本で古くから栽培されてきた白ぶどうです。公的な解説では、中央アジアから中国を経て日本に伝わり、日本の風土に適応してきた品種として説明されています。主に生食用として育てられてきた歴史を持ちながら、現在は日本ワインを代表する白ワイン用品種として知られています。

甲州の大切な点は、単に日本で育つ白ぶどうということだけではありません。長い栽培の時間のなかで日本の環境に適応し、ワイン用としても選ばれてきた品種だということです。柑橘を思わせる香りや穏やかな酸味などの特徴は公的資料にも紹介されていますが、実際の味わいは収穫地、収穫年、醸造方法、造り手によって変わります。

マスカット・ベーリーAは日本で交配された黒ぶどう

マスカット・ベーリーAは、日本で交雑によって生まれた黒ぶどうです。米国系のベーリーとマスカット・ハンブルグを親に持つ交配品種として、農林水産省や自治体の資料で説明されています。赤、ロゼ、スパークリングなど複数のスタイルに使われ、日本のワイン用ぶどうを考えるうえで欠かせない存在です。

この二品種は、国際ぶどう・ぶどう酒機構、O.I.V.のワイン用ぶどう品種リストにも登録されています。登録によって、EUへワインを輸出するとき、一定の要件を満たせばラベルに品種名を記載できるようになりました。国内で生まれ育った品種が、日本の中だけでなく国際的なワイン表示の場にも現れるようになった、という経緯です。

受賞表は何を示すか

本サイトの表は、品評会の受賞記録にある銘柄名に品種名が含まれるかを照合したものです。甲州やマスカット・ベーリーAが表に多く現れるのは、受賞の実績だけでなく、国内で栽培・醸造される機会が多く、品種名を銘柄に掲げるワインも多いことの反映です。シャルドネやメルローのような欧州系品種も同じ表に現れ、日本ワインが固有品種だけでできているわけではないことが分かります。

品種英名受賞件数受賞した造り手
甲州Koshu119667
シャルドネChardonnay977101
メルローMerlot67275
マスカット・ベーリーAMuscat Bailey A58172
ナイアガラNiagara22431
ケルナーKerner21620
カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon20040
デラウェアDelaware12330
ソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc10534
ツヴァイゲルトZweigelt8912
キャンベル・アーリーCampbell Early7210
ピノ・ノワールPinot Noir6517
リースリングRiesling5013
シラーSyrah4913
信濃リースリングShinano Riesling475
ミュラー・トゥルガウMüller-Thurgau418
カベルネ・フランCabernet Franc407
甲斐ノワールKai Noir3711
ブラック・クイーンBlack Queen339
ヤマ・ソーヴィニヨンYama Sauvignon3311
ピノ・ブランPinot Blanc304
竜眼(善光寺)Ryugan (Zenkoji)218
マスカット・オブ・アレキサンドリアMuscat of Alexandria192
山ぶどうYamabudo (wild grape)196
アルバリーニョAlbariño194
銘柄名に品種名が含まれる受賞だけを数えている。品種を名前に出さない銘柄は数えられないので、これは下限。

ただし、品種名を商品名に出さない銘柄はこの集計に入りません。受賞表での登場回数は、栽培面積や製造量の統計でも、品種そのものの優劣を測る指標でもありません。品種名から拾えた受賞記録の下限として、品種ページや個別の銘柄を調べる入口にしてください。

編集部の見立て:甲州とマスカット・ベーリーAは日本固有だから優れている、と読むより、日本の気候で育てやすく、長く選抜・栽培され、結果として多くの造り手が使ってきた品種だと読むほうが実態に近いと思います。固有性は品質の順位ではなく、土地と人の積み重ねをたどる手がかりです。

このページの出典

  • www.nta.go.jp 2026-08-27甲州の来歴と日本での栽培、マスカット・ベーリーAの位置づけ、両品種のO.I.V.登録とEU輸出ラベルへの品種名表示
  • www.maff.go.jp 2026-08-27マスカット・ベーリーAが日本で交雑によって生まれた品種であること、日本ワインでの利用
  • www.nta.go.jp 2026-08-27甲州とマスカット・ベーリーAのO.I.V.登録申請業務と、登録が輸出環境に関係すること
  • www.pref.yamanashi.jp 2026-08-27甲州とマスカット・ベーリーAの日本固有性、来歴と品種の特徴
  • nihon-wine.vercel.app 2026-08-27本サイトの公表受賞結果と銘柄単位の受賞記録
  • nihon-wine.vercel.app 2026-08-27本サイトの品種一覧と、品種別の栽培・受賞記録への導線

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