ラベルから何が分かるか — 日本ワインの表示ルール
入門・解説 / 公開 2026-08-27
ワインの名前だけでは、ぶどうの産地、品種、収穫年、輸入原料の使用を判断できないことがあります。国税庁の告示は、一定の条件を満たす場合に何を表示できるか、原材料をどこに表示するかを定めています。ここでは定義の説明を最小限にして、ラベルを読むときの確認点を整理します。
まず原材料名を見る 国税庁告示は、日本ワインには「『日本ワイン』と表示する」と定めています。一方、国内製造ワインは、果実や濃縮果汁、輸入ワインなどの原材料を使用量の多い順に表示し、原材料の原産地名も表示します。国内で造られたことだけで、国内のぶどうだけを使ったことになるわけではありません。
濃縮果汁を使った場合は「濃縮果汁使用」など、輸入ワインを使った場合は「輸入ワイン使用」など、使用が分かる表示をします。告示は、これらを容器又は包装の「主たる商標を表示する側」に行うとしています。表ラベルの商品名だけでなく、原材料名、原産地名、使用原料の表示まで確認するのが出発点です。
地名・品種名・収穫年の条件 地名は、日本ワインに限って表示できます。告示は、同一の収穫地で収穫されたぶどうを八十五パーセント以上使った場合、その収穫地を含む地名を表示できるとしています。醸造地を含む地名も条件付きで表示できますが、ぶどうの収穫地ではないことが分かる表示を別に行います。地名が書いてあるだけで、畑と醸造所が同じ場所だとは読めません。
品種名は、表示する品種の使用量の合計が八十五パーセント以上の場合に限られます。最も多い一品種、使用量の多い上位二品種、三品種以上という表示の仕方があり、上位二品種は多い順、三品種以上は使用割合を併記して多い順に表示します。収穫年は、その年に収穫したぶどうを八十五パーセント以上使った日本ワインに限って表示できます。条件を満たすことと、ラベルに実際に表示されていることは別に確認します。
「国産ワイン」は定義語か 告示の定義欄にある用語は「国内製造ワイン」「日本ワイン」「輸入ワイン」です。「国産ワイン」は、この告示が定める定義語ではありません。購入時にその言葉だけで原料を判断せず、告示に沿った「日本ワイン」の表示、原材料名、原産地名、濃縮果汁や輸入ワインの使用表示を読みます。
編集部の見立て:表示ルールの価値は、良い悪いを決めることではなく、原料と製造の違いをラベルで区別できるようにしたことです。地名、品種、年号があれば安心と短絡せず、八十五パーセント条件と表示位置を含めて確認するのが確実です。
このページの出典
- www.nta.go.jp 2026-08-27果実酒等の製法品質表示基準の告示本文
- www.nta.go.jp 2026-08-27国税庁の基準・解説資料
- www.nta.go.jp 2026-08-27国税庁「ワインのラベル表示から分かること」